僕は君のことが好きだった。
「で、話って何?父さん?」

「お前には、婚約者がいるんだ。」

婚約者?

「誰のこと?」

婚約者って、花香と結婚するならいいよ?

「新山財閥御令嬢の、新山香奈枝さんだ。」

新山香奈枝って、あの、派手で、馬鹿で、取り巻きを何人も引き連れていて、臭いあの新山!?

ちょっと、冗談?

「父さん、エイプリルフールは過ぎたよ。
病院行けば?」

冗談としか思えない。

でも、エイプリルフールは5日前だよ?

「でも、僕、好きな人がいる。」

「誰だ?」

「一流企業の社長令嬢、大山花香。」

「お前、大山さんの一人娘が好きなのか?
花香さんも、婚約者がいるって、大山社長は言っていたぞ。
娘が拓と結婚したいって嘆いてることも。」

え?今、花香が僕と結婚したいって嘆いてるって言った?

奇跡が起きたみたい‼

よし、明日、花香に告白しよう!
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