何でも屋と偽りのお姫様~真実の愛を教えて~
「お幸せにって……!?」
残されたその言葉に顔が熱くなる。
私と遥斗は恋人でも何でもない。
“偽装恋人”というよく分からない関係だ。
だから間違っても『お幸せに』という言葉は似合わないのだ。
なのに……私は何でこんなにも動揺しているのだろうか。
ドクンドクンと揺れる心臓が私の顔を更に熱くする。
「やっぱり俺たちはお似合いって事だな」
「はぁ!?遥斗ってば何言って……」
「お前、顔真っ赤」
「……うるさい!」
遥斗にからかわれるとなぜか無性に腹が立つ。
彼の腕をバシッと叩いて、歩き出す。
ヨウコさんに出したお茶のグラスには、氷だけが綺麗に残っている。
それをキッチンへと持っていき洗っていれば、物珍しそうに遥斗がこっちを見ていた。
「……何よ」
「お前って女なんだな」
「はぁ?」
思いっきり首を傾げながら遥斗を見る。
『私が男に見えた?』とタメ息交じりに聞けば、首を横に振りながら遥斗は私の後ろへと立った。
いきなり視界から消えたと思ったら背中に温もりを感じた。
「遥斗何して……」
お腹に回る腕が、遥斗が私に抱き着いているんだと分からせてくれる。
激しく揺れる心臓を必死で落ち着かせながら冷静を装う。
「いつもはガキみたいなくせに……」
「ちょっと!!」
「でもこうしてキッチンに立つとしっかりした佇まいになる。
スゲェ綺麗だ……」
後ろに引き寄せられる体。
ビックリして手から洗い終わったグラスが滑り落ちる。
「……セーフ」
「あっ……ありがとう……」
私の手から落ちたはずのグラスは遥斗の手によってキャッチされていた。
そのままグラスを置くと遥斗は両手で私を抱きしめる。
残されたその言葉に顔が熱くなる。
私と遥斗は恋人でも何でもない。
“偽装恋人”というよく分からない関係だ。
だから間違っても『お幸せに』という言葉は似合わないのだ。
なのに……私は何でこんなにも動揺しているのだろうか。
ドクンドクンと揺れる心臓が私の顔を更に熱くする。
「やっぱり俺たちはお似合いって事だな」
「はぁ!?遥斗ってば何言って……」
「お前、顔真っ赤」
「……うるさい!」
遥斗にからかわれるとなぜか無性に腹が立つ。
彼の腕をバシッと叩いて、歩き出す。
ヨウコさんに出したお茶のグラスには、氷だけが綺麗に残っている。
それをキッチンへと持っていき洗っていれば、物珍しそうに遥斗がこっちを見ていた。
「……何よ」
「お前って女なんだな」
「はぁ?」
思いっきり首を傾げながら遥斗を見る。
『私が男に見えた?』とタメ息交じりに聞けば、首を横に振りながら遥斗は私の後ろへと立った。
いきなり視界から消えたと思ったら背中に温もりを感じた。
「遥斗何して……」
お腹に回る腕が、遥斗が私に抱き着いているんだと分からせてくれる。
激しく揺れる心臓を必死で落ち着かせながら冷静を装う。
「いつもはガキみたいなくせに……」
「ちょっと!!」
「でもこうしてキッチンに立つとしっかりした佇まいになる。
スゲェ綺麗だ……」
後ろに引き寄せられる体。
ビックリして手から洗い終わったグラスが滑り落ちる。
「……セーフ」
「あっ……ありがとう……」
私の手から落ちたはずのグラスは遥斗の手によってキャッチされていた。
そのままグラスを置くと遥斗は両手で私を抱きしめる。