何でも屋と偽りのお姫様~真実の愛を教えて~
「ちょっ……ちょっと待ってください!
私は……」
“私は行きません。
貴方の言いなりなんかにはなりません”
そう言うつもりだった。
でも、開きかけた口がピタリと動かなくなる。
「貴方は黙っていなさい」
それは氷のように冷たい声を発したお義母様の言葉のせいだ。
自分の意志とは関係なく、私の体は固まってしまう。
そんな私を見ながらお義母様は、嘲笑うかのように言葉を放った。
「貴方に拒む権利なんてないわ……柊家の名に泥を塗るおつもり?」
「……っな……」
お義母様は私の体を上から下まで視線をやると冷たい笑みを浮かべる。
「子供じゃないのだから……自分がした事の責任くらい自分で取りなさい。
その立派な身体でね……」
お義母様はそれだけ言うと体の向きを変えてパーティー会場へと向かって行った。
「は……ははっ……」
小さくなるお義母様の後ろ姿を見ながら、堪え切れなかった笑いが口から洩れていく。
お義母様は、私と拓哉さんの事を認めてなんかいなかった。
私の事を、最初からまともに見てなんかいない。
私は柊家にとってただの道具でしかなかった。
そんな事……何でもっと早く気が付かなかったんだろう。
哀しさからか、悔しさからかは分からない。
でも、目の前が真っ暗になるような感覚に陥っていた。
小刻みに震える体をそっと包み込む様に社長は私を押しながら歩いた。
私は……」
“私は行きません。
貴方の言いなりなんかにはなりません”
そう言うつもりだった。
でも、開きかけた口がピタリと動かなくなる。
「貴方は黙っていなさい」
それは氷のように冷たい声を発したお義母様の言葉のせいだ。
自分の意志とは関係なく、私の体は固まってしまう。
そんな私を見ながらお義母様は、嘲笑うかのように言葉を放った。
「貴方に拒む権利なんてないわ……柊家の名に泥を塗るおつもり?」
「……っな……」
お義母様は私の体を上から下まで視線をやると冷たい笑みを浮かべる。
「子供じゃないのだから……自分がした事の責任くらい自分で取りなさい。
その立派な身体でね……」
お義母様はそれだけ言うと体の向きを変えてパーティー会場へと向かって行った。
「は……ははっ……」
小さくなるお義母様の後ろ姿を見ながら、堪え切れなかった笑いが口から洩れていく。
お義母様は、私と拓哉さんの事を認めてなんかいなかった。
私の事を、最初からまともに見てなんかいない。
私は柊家にとってただの道具でしかなかった。
そんな事……何でもっと早く気が付かなかったんだろう。
哀しさからか、悔しさからかは分からない。
でも、目の前が真っ暗になるような感覚に陥っていた。
小刻みに震える体をそっと包み込む様に社長は私を押しながら歩いた。