何でも屋と偽りのお姫様~真実の愛を教えて~
「遥斗……ありがとう」
もう何度目か分からない“ありがとう”を口にすれば、遥斗は呆れたように笑っていた。
大袈裟なほど肩をすくめながら冗談っぽく私に言葉を放つ。
「礼なら聞き飽きたっつーの!
何なら別の事でしてくれてもいいんだぜ?
……キス……とかな!」
「流石にキスは出来ないし!」
「っち」
ワザとらしく仕打ちをする遥斗。
2人で笑いあって話す。
たったそれだけなのに凄く幸せだ。
「……」
「梓沙?」
「ありがとう」
「だから礼は……!?」
遥斗の声が途中で途切れる。
ドクンドクンという、心臓の音だけが部屋へと響き渡っていた。
「……ちょっとだけでいいの。
だから……こうさせて……」
「お……おぅ……」
ギコチナイ会話をしながらも私は胸が温かくなっていた。
私の目の前には遥斗の胸板がある。
何度もこの光景を見てきた。
でも1つだけ違うのは……。
私が自分から遥斗に抱き着いた、という事。
私たちの鼓動の音が交じり合ってより大きな音を奏でていた。
恥ずかしいという気持ちは勿論あるけど、それ以上に落ち着く。
彼の腕の中はどうしてこんなに心地が良いのだろうか。
そっと目を閉じて遥斗の体温を私の全身で感じる。
もう何度目か分からない“ありがとう”を口にすれば、遥斗は呆れたように笑っていた。
大袈裟なほど肩をすくめながら冗談っぽく私に言葉を放つ。
「礼なら聞き飽きたっつーの!
何なら別の事でしてくれてもいいんだぜ?
……キス……とかな!」
「流石にキスは出来ないし!」
「っち」
ワザとらしく仕打ちをする遥斗。
2人で笑いあって話す。
たったそれだけなのに凄く幸せだ。
「……」
「梓沙?」
「ありがとう」
「だから礼は……!?」
遥斗の声が途中で途切れる。
ドクンドクンという、心臓の音だけが部屋へと響き渡っていた。
「……ちょっとだけでいいの。
だから……こうさせて……」
「お……おぅ……」
ギコチナイ会話をしながらも私は胸が温かくなっていた。
私の目の前には遥斗の胸板がある。
何度もこの光景を見てきた。
でも1つだけ違うのは……。
私が自分から遥斗に抱き着いた、という事。
私たちの鼓動の音が交じり合ってより大きな音を奏でていた。
恥ずかしいという気持ちは勿論あるけど、それ以上に落ち着く。
彼の腕の中はどうしてこんなに心地が良いのだろうか。
そっと目を閉じて遥斗の体温を私の全身で感じる。