何でも屋と偽りのお姫様~真実の愛を教えて~
逃げられない
「……久しぶりにこの部屋に来たな……」
静かな空間に私の声が落とされた。
ここは拓哉さんの家の一室。
私に与えられた部屋だ。
私物が置いてある正真正銘の私の部屋。
でもここには滅多に来ない。
いつもは拓哉さんの部屋にいるし、彼と一緒に寝るから。
だけど……拓哉さんと会うのが気まずくてここへ来てしまった。
拓哉さんに何も言わずパーティーを抜け出した挙句、無断外泊なんて彼が許す訳がない。
これから自分に起きる事を思い浮かべるだけで泣きたくなる。
遥斗のスエットから自分の服へと着替え倒れこむ様にベッドへと身を預ける。
その時だった
「梓沙」
「っ……」
耳に聞きなれた声が入ってくる。
その瞬間、私の体は固まったように動かなくなった。
頭の中が真っ白になる。
私は枕に顔を押し付けながら黙っていた。
誰の声かなんて顔を見なくたって分かる。
拓哉さんだ。
「起きているだろう?」
「……」
寝ていると思ってくれればいいのに、そう願うが彼には届かなかった。
「梓沙、大丈夫か?」
「え……?」
思わず声を出してしまう。
だって拓哉さんの声は凄く優しかったから。
静かな空間に私の声が落とされた。
ここは拓哉さんの家の一室。
私に与えられた部屋だ。
私物が置いてある正真正銘の私の部屋。
でもここには滅多に来ない。
いつもは拓哉さんの部屋にいるし、彼と一緒に寝るから。
だけど……拓哉さんと会うのが気まずくてここへ来てしまった。
拓哉さんに何も言わずパーティーを抜け出した挙句、無断外泊なんて彼が許す訳がない。
これから自分に起きる事を思い浮かべるだけで泣きたくなる。
遥斗のスエットから自分の服へと着替え倒れこむ様にベッドへと身を預ける。
その時だった
「梓沙」
「っ……」
耳に聞きなれた声が入ってくる。
その瞬間、私の体は固まったように動かなくなった。
頭の中が真っ白になる。
私は枕に顔を押し付けながら黙っていた。
誰の声かなんて顔を見なくたって分かる。
拓哉さんだ。
「起きているだろう?」
「……」
寝ていると思ってくれればいいのに、そう願うが彼には届かなかった。
「梓沙、大丈夫か?」
「え……?」
思わず声を出してしまう。
だって拓哉さんの声は凄く優しかったから。