何でも屋と偽りのお姫様～真実の愛を教えて～
総務部へ資料を届けた私はお昼を食べに1人で外へと出ていた。



「あそこのパスタは美味しかったな」



満足しながら歩いていればスマホが震えだす。



「……レイヤだ……。
しかも着信……もしもし」

『もしもしじゃない。
いい加減にしろ』



……はい？
電話に出た瞬間に怒られたんだけど……。



思わずスマホを見つめればレイヤの怒った声が聞こえてくる。



『お前といい五十嵐さんといい……。
何かあった事なんて丸分かりだ、さっさと仲直りしろ』



不機嫌そうな声が耳元へと響き渡る。



『お前が来なくなってから五十嵐さんの様子がおかしくなった。
これじゃあ仕事にならない、頼むから何とかしてくれ』



レイヤの声は聞こえているのに内容は頭から抜けていく。


遥斗の様子がおかしい……？
何で……？


もしかしてあの時の事を気にしているのだろうか。



「……自分で忘れろって言ったくせに……」

『梓沙……？』

「自分だって忘れてなんかないじゃない！！」

『おい、　何の話だ』

「ごめん電話切る！」



レイヤの返事を待つことなく電話を切った私。
スマホを乱暴に鞄にいれて走り出した。
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