何でも屋と偽りのお姫様~真実の愛を教えて~
脳裏に浮かんだのは寂しそうな顔をする拓哉さんだった。


私は貴方を守るって決めたのに。
ずっと一緒にいるって約束したのに……。


私は……貴方以外の人を好きになってしまった……。



「遥斗……ごめん……」



貴方を好きになってごめんね……。


遥斗にこの気持ちを伝える事はないけど……。

もう少しだけ貴方を想って泣かせてください。



……大好きでした。



貴方の笑顔も
貴方の声も
貴方の香りも



ぜんぶ、ぜんぶ……。


私の胸に刻み込まれているの。



もう……。
終わりにしよう……。


何もかも。



そう決意しながら空を仰いだ。
涙でぼやけた視界にお日様の光が映る。


眩しくて見ていられないけど目を逸らしたくなかった。



優しくて暖かい光は私の大好きな人に似ているから。
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