何でも屋と偽りのお姫様～真実の愛を教えて～
「五十嵐 遥斗。
まさかあのパーティーで出会った人間にお前が惹かれるとは思ってもいなかったが」



低い声に肩がピクリと揺れる。

何故このスエットが遥斗のモノだと知っているのか、とか。
私たちの関係をどこまで知っているのか、とか。


考えるだけで怖くなってしまう。


遥斗と拓哉さんが会ったのは後にも先にもあのパーティーの時だけだ。


だから私たちの関係を知っているはずがないのに……。



「アイツといる時のお前は楽しそうだな？
俺といる時とは全く違う表情をしている」



そう言って自嘲気味に笑うと拓哉さんは私に向かって何かを投げてくる。
パラパラと舞う沢山の何か。
その1枚を手に取って見てみれば……。



「私と遥斗の写真……」



それはホストクラブでの依頼の時の写真や……
遥斗と2人で買い物をしている時の写真。
夜に肩を並べて歩いている写真などがあった。



「なにこれ……何でこんな物が……」



訳が分からず呆然と拓哉さんを見上げる。
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