何でも屋と偽りのお姫様～真実の愛を教えて～
「お前と俺が付き合ってからずっと……。
お前の事は家の奴に見張らせている」

「なっ……！？」



衝撃のその言葉に私は言葉を失った。


付き合い始めてからって……。
何年になると思って……。


ずっと……ずっと信じていたのに……。
それは私だけだったの……？



「拓哉さんは……私の事……
好きじゃなかったんですか……？」

「馬鹿を言うな。
好きに決まっているだろうが、今もな……」



拓哉さんの目はどこかおかしかった。
私の目を見ているはずなのに……その先には私はいない様に見える。


焦点が合っていないその目のまま拓哉さんはベッドへと近づいてくる。



「っ……好きだったら何で信じてくれないんですか！？
見張り何てつけて……私を信じてないって事ですよね……」



恐怖で動けなくなった私は口だけは動かそうと必死で言葉を探す。
拓哉さんは止まることなくベッドへと上がると私の頬を触った。



「……実際、お前は俺を裏切っただろう」

「そ……それは……」



事実を言われて何も言えなくなった私は拓哉さんから目を逸らした。



「待つつもりだった。
あの男には誑かされているだけ、すぐ目が覚めるだろう……と。
だがお前は俺から離れようとした」



泣きそうな声に胸が締め付けられる。
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