何でも屋と偽りのお姫様~真実の愛を教えて~
「あのなー……嫉妬深いのも考えもんだぜ?
大体……テメェーこそ他の女に言い寄られてたんだ。
これでオアイコだろーが」



言葉に詰まっていた私を庇う様に五十嵐さんが助け舟を出してくれる。
それを聞いた拓哉さんは睨みつける様に五十嵐さんを見ていた。



「貴様には関係ない」

「関係あるんだよ」



間髪入れずに言葉を放つ五十嵐さん。


『関係ある』


その言葉に疑問を抱いたのは拓哉さんだけではない。



「五十嵐さん……?」



言葉の意味を求める様に私は彼を見上げる。
それに気が付いたように五十嵐さんもこちらを向いた。


そして優しい笑みを浮かべながら口を開く。



「お前が気に入った。
……俺と一緒に来い」

「えっ……?」



いきなりの言葉に戸惑う私を見ながら五十嵐さんは拓哉さんへと向き直った。



「如月 梓沙を頂けますか?
……柊社長」



ニヤリと悪戯っ子の様に笑う五十嵐さんを格好良いと思う自分がいる事に驚きながら私は彼を見つめた。
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