何でも屋と偽りのお姫様~真実の愛を教えて~
「好きだからに決まってるだろーが」



ドクンと高く鼓動が鳴った。
掴まれた腕から緊張が伝わるんじゃないかってくらい……。
煩いくらいに揺れ動く心臓におかしくなりそうになりながら私は遥斗を見つめた。




「好きって……嘘よ、そんなの!」



だって遥斗には彼女がいるもん。
だから、期待させるような事言わないでよ!


遥斗の腕を振りほどこうとしても力が強くて敵わなかった。



「嘘じゃねぇよ!」

「っ……」



遥斗の怒鳴り声に思わず肩を揺らしてしまう。
迫力のある声は嘘を言っている様には見えなかった。



「俺はずっと前からお前が好きだった」

「嘘……」

「パーティーでお前とぶつかった時は、ただ面白い奴だなって思っただけだった。
……すげぇ洞察力を持ってて推理力もあって単純に“何でも屋”に向いてるなって思った」



遥斗は私を見つめると『でもよ』と付け足した。
その顔は少し紅くなっていて遥斗が真剣に話してくれているという事がちゃんと伝わってきた。
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