何でも屋と偽りのお姫様~真実の愛を教えて~
「ハルさーん!梓沙ちゃーん!
感動の再会は終わったー?」

「カオル、近所迷惑だ」

「いいじゃん、レイってば固いんだから~」



こっちに向かって歩いてくるのはカオルさんとレイヤだった。
2人はボロボロになっていて見ていて痛々しかった。



「お2人とも大丈夫ですか!?」



慌てて駆け寄ればニコッと効果音が着きそうな笑顔をくれるカオルさん。



「これくらい何でもないって!」

「俺も何の問題もない」

「何で笑ってるんですか……」



体中傷だらけなのに何でそんなに普通でいられるの?


私を助けるためにこんなにボロボロになったのに……。
何で皆、怒らないの……?



「おかしいですよ!
私なんか助けなければ怪我なんてせずに済んだのにっ……!
なのにっ……」



助けて貰ったお礼を言わなきゃいけないのに。
自分が何も出来なかった悔しさと、申し訳なさでいっぱいになって素直にお礼が言えない。
< 287 / 430 >

この作品をシェア

pagetop