何でも屋と偽りのお姫様～真実の愛を教えて～
「もしかしてずっと気にしてたのか？」

「う……うん、街で2人で歩いている所を見た時から……」



私がそう言えば盛大なタメ息をつかれる。
カオルさんとレイヤに至っては苦笑いだ。



「だからあの時、様子がおかしかったのか。
彼女がどーのこーのって意味が分からなかったんだからな」



遥斗はきっと電話でのことを言っているのだろう。
遥斗とカオルさんが2人で歩いているのを見た日の電話で私は遥斗にもう会わないって告げたのだから。



「ご……ごめん……」

「ったく……お前は……人騒がせな奴だな」



遥斗がコツンと私の頭を叩く。
何故かレイヤとカオルさんまで頭を叩いてきた。


驚いていれば2人は思いのたけを私にぶつけた。



「お前が何でも屋に来なくなってから五十嵐さんがおかしくなって仕事どころじゃなかったんだ。
俺が全部尻拭いをさせられた、もっと殴ってもいいと思うがな」

「俺も、ハルさんとは仕事関係で繋がってるんだけど、せっかく持ってきた情報を全部パーにされて腹が立ってたんだよねー。それもこれも……」

「梓沙のせいだ」

「梓沙ちゃんのせいだよね？」



レイヤとカオルさんに挟まれた私は苦笑いをするしかなかった。



「ご……ごめんなさいっ！！」



謝る私にもう2発ずつ拳骨を食らわすレイヤたちは悪魔のような笑みをしていた。
でも……その拳は凄く優しかった……。
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