何でも屋と偽りのお姫様~真実の愛を教えて~
「痛いっ……」



それほど痛くはなかったけど流石に7発も殴られればそれなりに痛いのだ。
頭を撫でていれば『自業自得だ』と3つの声が頭の上から降ってきた。
ココに私の味方はいないのか、虚しい気持ちになりながらも私の顔は笑顔だった。


遥斗やレイヤ、それからカオルさん。
この人たちと一緒にいると凄く落ち着く。


自分が自分らしくいられる気がするんだ……。


いつも無理ばかりして笑顔を作っていた自分とは違う。
本当の自分が……出せている気がする。



「あっ……」



私は掌を空へと向けて手を伸ばす。
そこには冷たい感触が降ってきた。



「雪……」



空から舞い落ちる雪を4人で見ていれば幸せな気持ちでいっぱいになる。



「さみぃと思ったら……」

「もうこんな時期か」

「ハルさんもレイヤも風情がないな~。
ホワイトクリスマスなんだから喜ばないと、ね?梓沙ちゃん」



カオルさんは笑顔で私を見ている。
それに小さく頷いて私はまた空を見上げた。


最高の贈り物だ。
きっと今日の事は一生忘れないだろう……。
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