何でも屋と偽りのお姫様~真実の愛を教えて~
「私のスマホ……」



拓哉さんに取られていたスマホが何故か遥斗の手の中にあった。
驚いて見ていれば無理やりそれを私の手に載せる。



「桐生が見つけてくれてな。
本当にアイツはいい仕事するよな、特にお前の事になると」



少し面白くなさそうに言う遥斗。
でもその顔は優しく緩んでいた。



「嫉妬しなくても大丈夫だよ。
私は遥斗しか見てないから!」

「っ……この魔性め」

「はい!?」



遥斗は真っ赤な顔をしながら私の頭を叩くとソファーへと座った。
そして私の手を引っ張り自分の横へと座らせる。



「さっさと電話しろ。
早く俺のモノになれ、馬鹿野郎」

「……うん」



紅くなる遥斗の顔を見ていると頑張れる気がする。


1人じゃ立ち向かえなかったけど……。
遥斗が隣にいるだけで勇気が湧いてくれる。



私は決意した様にスマホを操作して耳へと当てる。
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