何でも屋と偽りのお姫様~真実の愛を教えて~
「あの時は俺の感情だけで突っ走っちまってお前を傷つけちまうと思ったんだ。
だから忘れればお前は幸せになれる、そう思った。
でもそんなの俺の身勝手な想いだったんだよな?」



遥斗は私を見つめてゆっくりと目を細めた。

その顔はずっと私が求めていた遥斗の笑顔だった。

トクリと胸が高鳴り私の体は熱を帯びていく。



「忘れろなんてもう言わないさ。
忘れられないくらい……激しく抱いてやるから……覚悟しろよ」



背中と膝裏に手を回され私は軽々と抱き上げられてしまう。



“お姫様抱っこ”


カオルさんにもされたけど……
遥斗にされると凄く恥ずかしい……。



ドクンドクンと心臓が揺れ動く。



遥斗は寝室につくなり私をベッドへと押し倒した。



「もう……抑えられねぇ……。
お前は正真正銘……俺の女だ」



獣の様な目で捕らわれ、私は動けなくなってしまう。
高鳴る鼓動を悟られない様に私は笑みを浮かべる。



「抑えなくていいよ。
私は遥斗のものだから……」



小さく呟けば遥斗の顔がゆっくりと私に近づいてきた。
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