何でも屋と偽りのお姫様~真実の愛を教えて~
「……遥斗……?」



目の前にはソファーに座る遥斗の後ろ姿が映っていた。


まるっきり前回と同じだ。


何度呼びかけても遥斗は返事をくれなかった。
目の前が真っ暗になっていく。


また、忘れろと言われるのだろうか。
冷たい声で、冷たい目で、私を拒絶するのだろうか?


考えれば考えるほど怖くなっていく。



「っ……遥斗!」



そんなの嫌だ!
私は遥斗と一緒にいたい。


急いで遥斗の前へと行けば……
幸せそうな顔をして目を瞑る遥斗が目に映る。



「ね……寝てる……?」



小さな寝息をたてながらソファーにもたれ掛かっている遥斗。



「……もう……紛らわしいのよ馬鹿……」



悪態をつけば急に遥斗の両手が私へと向かって伸びてきた。
そして驚く暇もなく抱き寄せられる。
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