何でも屋と偽りのお姫様~真実の愛を教えて~
「人がせっかく気を遣ってこっちで寝てたっていうのによー。
お前は何も分かっちゃいねぇ……襲えばよかった」



舌打ちをしながらも遥斗は優しく目を細めた。



「大体……昨日言っただろーが。
もう忘れろなんて言わねぇって……」

「だ……だって……」



起きた時、隣にいなかったんだもん。
心配になるに決まっている。


俯く私の頭を遥斗の大きな手が撫で下ろす。
優しく動くその手に自分の手を重ねれば遥斗はぎゅっと握りしめてくれる。



「これからはちゃんとベッドで寝る。
その代わり……襲われても文句は言うなよ?」

「っ……」

「返事は?」



ニヤリと笑うその顔は意地悪なものだった。
でも、凄く愛おしい。


だから私は……。



「うん……」



返事と一緒に彼の胸へと顔を押し付けた。
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