何でも屋と偽りのお姫様～真実の愛を教えて～

「進藤先生は今、授業中なのでしばらくここでお待ちいただけますか？」

「はい、本当にありがとうございます」



頭を下げて先生を見送ると置いてあったソファーに腰を掛ける。
出して下さったお茶を飲みながら進藤さんが来るのを待つ。


数十分が経過した頃



「お待たせしてすみません」



慌てた様に1人の男性が入ってきた。
この人が片瀬さんの親友の進藤さん……。



「いえ、こちらこそすみません。
急にお訪ねしてしまって……」

「いえ、お客さんなんて珍しいのでみんな大喜びですよ」



人当たりがよさそうな笑顔を浮かべながら私の向かいに座る進藤さん。


簡単に自己紹介をすませた私は早速、本題に入る事にした。



「あの……片瀬さんって覚えていらっしゃいますか？」

「……えぇ……もちろん覚えていますよ」



一瞬だけ悲しそうに顔を歪める進藤さん。
彼にとってもあの事件は忘れられないものなんだ。
まぁ当事者だし、当然と言えば当然なんだろうけど……。