何でも屋と偽りのお姫様~真実の愛を教えて~
「残念だったね。
あと1歩で幸せな人生が送られるはずだったのに」
車内で響く高笑い。
痛いくらいに抱きしめられる体。
その全部が私の心を蝕んでいく。
お義兄さんは壊れたように笑い、拓哉さんは黙ったまま私を抱きしめている。
この兄弟はおかしい。
どこまでも執念深くて、どこまでも追いかけてくる。
きっと私は逃げられない。
でも私は変わったんだ。
「私は幸せですよ」
「はははっ!!
幸せ……?笑わせてくれるね……。
これからまた監禁地獄が待ってるっていうのにさー」
お義兄さんの言葉に私はニッと笑顔を浮かべる。
そんなに簡単に諦める訳にはいかない。
だって……。
「待っていませんよ。
監禁生活なんて」
私は勢いよく拓哉さんを突き飛ばし、車の扉を開けた。
運よく赤信号で止まっていた車から飛び降りると一心不乱に走り出す。
「逃がさないから」
後ろから聞こえてきた怪しい声に聞こえないフリをしながら私は走り続ける。
私が帰る場所は遥斗のいる何でも屋だから……。
あと1歩で幸せな人生が送られるはずだったのに」
車内で響く高笑い。
痛いくらいに抱きしめられる体。
その全部が私の心を蝕んでいく。
お義兄さんは壊れたように笑い、拓哉さんは黙ったまま私を抱きしめている。
この兄弟はおかしい。
どこまでも執念深くて、どこまでも追いかけてくる。
きっと私は逃げられない。
でも私は変わったんだ。
「私は幸せですよ」
「はははっ!!
幸せ……?笑わせてくれるね……。
これからまた監禁地獄が待ってるっていうのにさー」
お義兄さんの言葉に私はニッと笑顔を浮かべる。
そんなに簡単に諦める訳にはいかない。
だって……。
「待っていませんよ。
監禁生活なんて」
私は勢いよく拓哉さんを突き飛ばし、車の扉を開けた。
運よく赤信号で止まっていた車から飛び降りると一心不乱に走り出す。
「逃がさないから」
後ろから聞こえてきた怪しい声に聞こえないフリをしながら私は走り続ける。
私が帰る場所は遥斗のいる何でも屋だから……。