何でも屋と偽りのお姫様～真実の愛を教えて～
「ただいまー」

「ただいまーじゃねぇだろーが！！」



何でも屋の事務所に帰ればいきなり怒鳴り散らされる。
何事かと思えば目の前にはボロボロになった遥斗とレイヤが怖い顔で立っていた。



「ちょっとどうしたの！？
2人とも大丈夫……！？」

「人の心配なんかしてんじゃねぇよ！！」

「お前は大丈夫なのか……？」



遥斗とレイヤの言葉に首を傾げれば怒った様に怒鳴られる。


『柊に会ったんだろ』って。
何で知っているのかとか、何で2人はボロボロなんだろうかとか。
考えていれば1つの答えが浮かび上がってくる。



「まさか……今日あった依頼って……」

「あぁ、柊家が仕組んだものだった。
俺と桐生を梓沙から引き離すのが目的だったらしい」



怒りを隠しきれていない遥斗は私の肩を掴みながら大声を上げる。
その顔は怒りや哀しみなどが入り混じっていた。



「何で勝手に1人で行動した！？
こうなる事くらい簡単に予想できただろーが！！」



遥斗が怒るのも当然だった。
私のスマホには拓哉さんからに数えきれないくらいの着信やメールが来ていた。
それは彼が私を諦めていないという証拠だった。
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