何でも屋と偽りのお姫様～真実の愛を教えて～
「今回の事は自分が招いた事だって……五十嵐さんは苦しんでいた。
もっと自分が早く気が付いていれば対処できたと……」



レイヤは淡々と話すがそこには哀しみが隠されていた。



「……俺も同じだ。
お前と一緒にいられることが幸せすぎて……冷静さを失っていた。
もしこの事がキッカケでお前が苦しむ様な事になればあの人は立ち直れないくらい傷つく事になっただろう」



レイヤはそう言うと私に何かを押し付けると扉に向かって歩き出していく。



「依頼人を想う気持ちは皆同じだ。
だが、お前が1番哀しませてはいけない人は誰だ？
……よく考えろ」



それだけ言うとレイヤはそのまま事務所を出て行った。



「……」



私は力なくソファーに座りレイヤから渡されたものに目を向ける。
それは1通の手紙だった。
封筒の裏を見れば“片瀬”と書かれていた。


封を開けて手紙に目を通していく。
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