何でも屋と偽りのお姫様~真実の愛を教えて~
九条という男
次の日から私は動き出していた。
遥斗の大学時代の親友、九条さんを探す為に……。
遥斗とは仲直りをして、もうワダカマリも何もない状態だ。
だからと言って昨日の今日で1人で出歩く訳にもいかずある人に協力を得る事にしたのだ。
「すみませんカオルさん。
こんな事をお願いしてしまって……」
巻き込んでしまうのは申し訳ないが他に頼る人はいない。
隣を歩く美人な女の人、もとい、カオルさんに謝れば満面な笑みで首を横に振られる。
「謝らないでよ!
こんなに可愛い女の子とデート出来るなんて嬉しいし!」
笑顔で冗談を言っていたカオルさんは次第に暗い顔つきになっていく。
「それに……。
ハルさんが何かに悩んでた事は前から知ってたけどアタシは何も出来なかったから……」
遥斗とカオルさんは、もう10年近くの付き合いらしい。
情報屋と何でも屋、変わった職業ではあるが大切な仲間という事もあり仲が良い2人。
そんなカオルさんだからこそ誰よりも遥斗の苦しみに敏感なんだ。
「ハルさんはさ……昔からずっと優しかった。
ある理由で女装をし続けるアタシにも態度を変えることなく普通に接してくれたんだ」
「……遥斗らしいですね」
「……うん。
そんなハルさんが苦しんでるのに……見てる事しか出来なかった自分が凄く惨めだった」
凛とした顔つきで歩くカオルさんだけど、その瞳には涙が浮かんでいる。
必死に堪えている様子を見ていると心がキリキリと痛む。
遥斗の大学時代の親友、九条さんを探す為に……。
遥斗とは仲直りをして、もうワダカマリも何もない状態だ。
だからと言って昨日の今日で1人で出歩く訳にもいかずある人に協力を得る事にしたのだ。
「すみませんカオルさん。
こんな事をお願いしてしまって……」
巻き込んでしまうのは申し訳ないが他に頼る人はいない。
隣を歩く美人な女の人、もとい、カオルさんに謝れば満面な笑みで首を横に振られる。
「謝らないでよ!
こんなに可愛い女の子とデート出来るなんて嬉しいし!」
笑顔で冗談を言っていたカオルさんは次第に暗い顔つきになっていく。
「それに……。
ハルさんが何かに悩んでた事は前から知ってたけどアタシは何も出来なかったから……」
遥斗とカオルさんは、もう10年近くの付き合いらしい。
情報屋と何でも屋、変わった職業ではあるが大切な仲間という事もあり仲が良い2人。
そんなカオルさんだからこそ誰よりも遥斗の苦しみに敏感なんだ。
「ハルさんはさ……昔からずっと優しかった。
ある理由で女装をし続けるアタシにも態度を変えることなく普通に接してくれたんだ」
「……遥斗らしいですね」
「……うん。
そんなハルさんが苦しんでるのに……見てる事しか出来なかった自分が凄く惨めだった」
凛とした顔つきで歩くカオルさんだけど、その瞳には涙が浮かんでいる。
必死に堪えている様子を見ていると心がキリキリと痛む。