何でも屋と偽りのお姫様~真実の愛を教えて~
お義兄さんが言うには、拓哉さんが轢かれたのは今日じゃないとの事。
1週間前に轢かれて、手術をしたが意識が戻らなかったらしい。
そして、今日目覚めたらしいのだが……。
拓哉さんの様子がおかしくなってしまったらしい。
お義兄さんはそこまで言うと、口を閉じてしまった。
「あの……」
「……実際に見て貰った方がいいかも」
お義兄さんはそう言うと立ち上がり病室の扉へと手をかけた。
この奥に拓哉さんが……。
ゴクリと息を呑んでお義兄さんの後ろへと立つ。
ガラッと音を立てながらドアが開いた瞬間
叫ぶ拓哉さんが体格のいい男の人達に押さえつけられているという奇妙な光景が目に入った。
「本当なら体も動かせないくらい辛いはずなんだ。
でも今の拓哉には痛みさえ感じてないのかもしれない……」
お義兄さんは私のすぐ近くにいるはずなのに、声が遠くから聞こえる気がする。
それくらい私は愕然としていた。
その理由は拓哉さんが暴れながらも叫んでいる言葉にあった。
「梓沙!!
梓沙に会わせろ!!」
自分より遥かに体が大きい男たちを手こずらせる程、拓哉さんは感情的になっていた。
そこには私が知っている拓哉さんはどこにもいなかった。
1週間前に轢かれて、手術をしたが意識が戻らなかったらしい。
そして、今日目覚めたらしいのだが……。
拓哉さんの様子がおかしくなってしまったらしい。
お義兄さんはそこまで言うと、口を閉じてしまった。
「あの……」
「……実際に見て貰った方がいいかも」
お義兄さんはそう言うと立ち上がり病室の扉へと手をかけた。
この奥に拓哉さんが……。
ゴクリと息を呑んでお義兄さんの後ろへと立つ。
ガラッと音を立てながらドアが開いた瞬間
叫ぶ拓哉さんが体格のいい男の人達に押さえつけられているという奇妙な光景が目に入った。
「本当なら体も動かせないくらい辛いはずなんだ。
でも今の拓哉には痛みさえ感じてないのかもしれない……」
お義兄さんは私のすぐ近くにいるはずなのに、声が遠くから聞こえる気がする。
それくらい私は愕然としていた。
その理由は拓哉さんが暴れながらも叫んでいる言葉にあった。
「梓沙!!
梓沙に会わせろ!!」
自分より遥かに体が大きい男たちを手こずらせる程、拓哉さんは感情的になっていた。
そこには私が知っている拓哉さんはどこにもいなかった。