何でも屋と偽りのお姫様~真実の愛を教えて~
1週間という時が流れ私は病院の屋上へときていた。


拓哉さんと離れたのは久しぶりだった。
この1週間ずっと彼の傍にいたから、1人になるのも久しぶり。


私の心はもう限界だった。



“好きだよ”

“愛してる”


私はこの1週間でどれだけの嘘をついて来ただろうか。
嘘をつく度に私が私でいられなくなる様な気がして、凄く怖かった。


でも……。
慣れなければいけない。


だって私はココで生きていくんだから。
拓哉さんの隣で……。


ゆっくりと目を閉じれば後ろから大好きな人の声が聞こえてくる。



「梓沙」

「あっ……久しぶり……遥斗」



私は思いっきり笑顔を浮かべた。


きっと……。
これが最後の会話になるから。
< 373 / 430 >

この作品をシェア

pagetop