何でも屋と偽りのお姫様~真実の愛を教えて~
「早く行け」

「え……け……結婚って……」

「つべこべ言わずに行け」



驚く私を追い出す様に車椅子で私を部屋の外に追いやる拓哉さん。

私はされるがままに社長室から出る。



「気を付けろよ」

「は……はい」



私が微笑めば拓哉さんは車椅子ごと後ろを向いてしまう。


不自然なその動きに首を傾げながらも私は歩き出す。



「っ……」

「え……?」



一瞬だけ辛そうな声が聞こえた気がした。



でも既に扉は閉まっている。




「……気のせいかな?」




私はそう呟き紙に書かれている場所へと向かった。
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