何でも屋と偽りのお姫様~真実の愛を教えて~
「何が人の女だ」

「そうだそうだ!
散々、人を振り回しといて!」



レイヤとカオルさんが遥斗に詰め寄る。


遥斗は気まずそうに顔を逸らしながら『そんな事より!』と無理やり話を変えだした。


それは無理があるんじゃ、そう思っていれば遥斗は私の方を見ていた。



「……お帰り梓沙」



遥斗の優しい笑顔に胸が締め付けられる。
じわりと涙が目に浮かび、流れる寸前の状態になっていた。
涙を我慢していれば、カオルさんの盛大なタメ息が聞こえてきた。



「それを言われたら……何も言えないじゃん!」

「うっせぇよ」



じゃれ合うカオルさんと遥斗を見ながら笑顔を浮かべる。



「……ただいまっ!!」



私は大きな声で言うと、3人にまとめて抱き着いた。
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