何でも屋と偽りのお姫様～真実の愛を教えて～

「相変わらず泣き虫だなお前は」

「うぅ……うるさいよレイヤ……」



泣きながらも反論する私が面白かったのか3人は可笑しそうに笑っていた。
皆の笑い声に私もつられて笑えば、4人の笑い声が久しぶりに何でも屋へと響き渡っていた。



「あっ！そうだ！
今から“梓沙ちゃんのお帰りなさいパーティー”しようよ！！」



そう言って1人で盛り上がるカオルさん。
そのすぐ後に小さなタメ息が聞こえてきた。



「お前は少しは空気を読め。
……久しぶりに再会したんだ。
2人にさせてやるのが筋ってものだろう」

「えー！？
アタシだって梓沙ちゃんともっと話したいよー！
……って言いたい所だけど……仕方がないな」



レイヤの言葉にワザとらしく肩を上げるカオルさん。
そして私と遥斗を交互に見ると怪しく口角を上げた。



「……それじゃあ……お2人さん！
……ごゆっくり……！」

「さっさと行くぞ」

「ちょっ……待ってよレイヤ！！」



スタスタと先に歩いていくレイヤを駆け足で追いかけていくカオルさん。
私はそんな2人を呆然と見送っていた。