何でも屋と偽りのお姫様～真実の愛を教えて～

「謝るんじゃねぇよ」

「痛ッ！！」



遥斗は私のオデコを思いっきり叩くとハァッと盛大にタメ息をついた。
突然の事で驚く私に遥斗はぶっきらぼうに言い放つ。



「今こうしてお前が俺の目の前にいてくれる。
……それだけで十分だ」

「遥斗……ありがとう」



私は言うと同時に遥斗の胸へと飛び込んだ。
驚きながらもしっかりと受け止めてくれる遥斗の胸板に自分の顔を押し付ける。



「……『結ばれるだけがHAPPYENDじゃない』」

「……え……？」



その言葉に聞き覚えがあった。


病院の屋上で……
私と遥斗が別れを告げたあの日。


遥斗が私に言ってくれた言葉だ。



「あの言葉撤回していいか？」

「……撤回……？」

「あぁ」



遥斗は力強くそう言うと、私の体を少し離した。