何でも屋と偽りのお姫様～真実の愛を教えて～
「い……五十嵐さん！？」



3か月近く前のパーティーで出会った男の人、五十嵐 遥斗さんがそこには立っていた。


相変わらず女性にモテそうなルックスをしているな。
そう思いながら私は彼を見上げる。


茶色い髪が彼の顔立ちの良さを引き立てていた。
私より年上であろう五十嵐さんは大人の魅力が滲み出ていた。



「お前は相変わらず小さいな！」

「小さいってなんですか！！
貴方が無駄にデカいだけです！！」

「ったく……何で俺には強気なんだろうなお前は」



呆れた様な顔で笑いながら五十嵐さんは私の頭を撫でる。
子ども扱いをされている気がする。
少しむくれながら私は五十嵐さんを見つめた。



「五十嵐さんには素を出せるんです。
理由は知りませんけど！！」

「……」



私の言葉に何故か顔を紅める五十嵐さん。
いつもの余裕たっぷりの笑みは今の五十嵐さんには見られなかった。



「どうしたんですか？」

「……何でもねぇよ！！
それより……機嫌ワリィみたいだけど何かあったのか？」



五十嵐さんは無理やり話を変えようとしているみたいだ。
不思議に思いながらも敢えてツッコまずさっきの出来事を話した。


こんな愚痴を五十嵐さんに話すなんてどうかしているけど……。
誰かに聞いて欲しかったのか私は何の躊躇もなく口を開いていたのだ。
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