何でも屋と偽りのお姫様~真実の愛を教えて~
「拓哉に内緒で出掛けて大丈夫?」
「え……?」
「その様子じゃあ拓哉に許可取ってないんでしょ?」
お義兄さんは笑顔を浮かべながら私の顔を覗きこむ。
その笑顔を見るとゾクリと寒気を感じた。
「……」
何も言えない私を見据えながら掴んでいる私の腕を勢いよく引いた。
「っ……!!」
無理やりお義兄さんの胸におさめられた私の体。
驚く暇もなく耳元で怪しく囁かれる。
「アイツの梓沙ちゃんへの執着心は異常じゃないでしょ。
もし浮気なんてしてたら……キミはどうなっちゃうのかな?」
「う……浮気なんてしていません!!」
「別に疑っている訳じゃないさ。
もしもの話だよ。それとも……」
『何かやましい事もあるのかな?』
低くて妖艶な声が私の耳を支配する。
じわりと背中に嫌な汗を感じた。
“逃げなきゃ”
頭がそう判断する。
「離して下さい!!」
バシッとお義兄さんの腕を払い一定の距離を開ける。
「梓沙ちゃんったら、冗談だよ。
怒らないでよ」
「……怒っていません。
……失礼します」
私は逃げる様にお義兄さんに背を向けて歩き出す。
「キミは逃げれないよ。
拓哉からも、俺からもね……」
クスリと聞こえる笑い声。
それを聞こえないフリをして足早に屋敷を出た。
「え……?」
「その様子じゃあ拓哉に許可取ってないんでしょ?」
お義兄さんは笑顔を浮かべながら私の顔を覗きこむ。
その笑顔を見るとゾクリと寒気を感じた。
「……」
何も言えない私を見据えながら掴んでいる私の腕を勢いよく引いた。
「っ……!!」
無理やりお義兄さんの胸におさめられた私の体。
驚く暇もなく耳元で怪しく囁かれる。
「アイツの梓沙ちゃんへの執着心は異常じゃないでしょ。
もし浮気なんてしてたら……キミはどうなっちゃうのかな?」
「う……浮気なんてしていません!!」
「別に疑っている訳じゃないさ。
もしもの話だよ。それとも……」
『何かやましい事もあるのかな?』
低くて妖艶な声が私の耳を支配する。
じわりと背中に嫌な汗を感じた。
“逃げなきゃ”
頭がそう判断する。
「離して下さい!!」
バシッとお義兄さんの腕を払い一定の距離を開ける。
「梓沙ちゃんったら、冗談だよ。
怒らないでよ」
「……怒っていません。
……失礼します」
私は逃げる様にお義兄さんに背を向けて歩き出す。
「キミは逃げれないよ。
拓哉からも、俺からもね……」
クスリと聞こえる笑い声。
それを聞こえないフリをして足早に屋敷を出た。