何でも屋と偽りのお姫様~真実の愛を教えて~
「っで?
私は何をすればいいの?」



資料を読み終えた私は遥斗へと視線を移す。

すると、待てましたと言わんばかりの笑顔が向けられた。



「お前は客に扮してそのホストを指名しろ」

「……私にホストクラブへ行けって言うの!?」

「あぁ」



さらりと言葉を放つ遥斗に軽く怒りを覚える。



「あのね……只でさえ偽装恋人なんて危ない橋を渡っているのにホストクラブまで行けって言うの!?
拓哉さんにバレたらどうしてくれるのよ!!」



拓哉さんだけじゃない。
柊家にバレたら、そう考えるだけんで恐ろしい。


怒り任せに資料を机に置く。



「それに……ホストクラブだったら遥斗が働けばいいじゃない!!」



客よりホストとして潜入した方が状況が把握できるはず。
そう思いながら遥斗を見つめれば大きなタメ息が落ちてくる。



「……36の男を雇うとは思えねぇけどな」

「……36って……誰が?」

「……俺に決まってるだろーが」



遥斗の言葉に一瞬だけ時が止まったように感じた。


36歳……?
遥斗が……?
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