百人一首いまむかし 〜二の巻〜
4年ぶりに会える。
胸をはずませ、公園のベンチに座って待つ。
「…な。…れな。」
いつしかうとうとしてしまっていたようで。
耳に入ってきたのは彼の声だった。
「こんなとこで寝たら風邪ひくよ?」
「…バカ。」
「ごめんな。
待たせたね。」
「…バカ。遅いよ…」
「…ごめん。
あと…お土産。」
そう言って私の手をとり、薬指に輝くものをとおす。
「待たせてごめん。
ただいま。」
「…おかえりなさい。」