百人一首いまむかし 〜二の巻〜
「話がある。一緒に帰ろう。」
そう言って呼び出された。
帰り道、いつもの公園でベンチに座った。
「…俺、留学するから。」
「…え?留学?」
「うん。いろいろ勉強したくて。」
それは君と離れるということで。
どうしても頭がついていかなかった。
「…遠距離になるの?
嘘でしょ?」
「…ごめん。遠距離だよ。」
「そんな…
もう会えないの?」
「いや。向こうの大学を卒業したらかえってくる。
だから4年後には会えるよ。」
「4年って…
長いよ。」
すぐにはうなずけるわけがなかった。