たからもの

名前をよんだ

しばらくたったある日。
席替えでわたしは裕巳の前の席になった。

特に話すこともなかった。

そんなあるとき、プリントを渡そうとしたら裕巳が寝ていた。
起こしたいけど、名前呼んだことがない。
呼び捨てでいいよね。

「裕巳」

ちょっとドキドキしながら名前を呼んだら裕巳はバッと顔を上げて、

「はいっはいっ、なに?」

って。
すごい驚いた顔をして言うから笑いそうになったけどこらえてプリントを渡した。

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