男の秘密
車内を見渡すとシートは革張りでフルスモークの窓に高そうな内装。
『忍さんのシートもこんな感じだったわね・・・もしかして二人ともそっち関係のお仕事?!』
先程までの出来事がすっかり頭から抜けて、忍の仕事の事が気になりだした。
「え、と。優だよな?」
運転席に座った男性が、後部座席の優に身体を向けて尋ねた。
「は い。斉藤優です」
『何で名前を知ってるのかしら』
急に話を振られて言葉に詰まりながら答えるが、自分の名前を知っている事を訝しく思った。
「俺は木戸和也(きどかずや)よろしく。」
「こちらこそ、宜しくお願いします」
にっこりと笑いながら名乗られたが、よろしくとはどういう意味か図りかねるので、微妙な顔つきで返答した。
「取りあえず車出すな」
そう言って木戸は静かに車を発進させた。
車の性能も良いのだろうが、木戸の運転が上手なせいで殆ど揺れを感じず走る車内は、BGMの洋楽以外の音が無かった。
何を話して良いのか分からない優は黙っているしか無く、少し緊張していたが、不意に木戸が話し出した。
「おまえんちで良いか?」
「え、あ、あぁ」
返事をした忍は後部座席のドアにもたれていて、表情は分からない。
ただ、乗り込んだときから優の手を握ったままなので、落ち着いてくるとその事が気になりだした。
木戸からは見えない位置だが、もし見られたらと思うと恥ずかしくて俯いてしまう。
少ない会話のまま、忍の家だというマンションに着いた。
『忍さんのシートもこんな感じだったわね・・・もしかして二人ともそっち関係のお仕事?!』
先程までの出来事がすっかり頭から抜けて、忍の仕事の事が気になりだした。
「え、と。優だよな?」
運転席に座った男性が、後部座席の優に身体を向けて尋ねた。
「は い。斉藤優です」
『何で名前を知ってるのかしら』
急に話を振られて言葉に詰まりながら答えるが、自分の名前を知っている事を訝しく思った。
「俺は木戸和也(きどかずや)よろしく。」
「こちらこそ、宜しくお願いします」
にっこりと笑いながら名乗られたが、よろしくとはどういう意味か図りかねるので、微妙な顔つきで返答した。
「取りあえず車出すな」
そう言って木戸は静かに車を発進させた。
車の性能も良いのだろうが、木戸の運転が上手なせいで殆ど揺れを感じず走る車内は、BGMの洋楽以外の音が無かった。
何を話して良いのか分からない優は黙っているしか無く、少し緊張していたが、不意に木戸が話し出した。
「おまえんちで良いか?」
「え、あ、あぁ」
返事をした忍は後部座席のドアにもたれていて、表情は分からない。
ただ、乗り込んだときから優の手を握ったままなので、落ち着いてくるとその事が気になりだした。
木戸からは見えない位置だが、もし見られたらと思うと恥ずかしくて俯いてしまう。
少ない会話のまま、忍の家だというマンションに着いた。