男の秘密
「何々?」

その表情にほろ酔いのメンバーが追求を始める。

「え、いや何でも・・」

言葉を濁しながら不意に優達の方をチラリと見た。

「もしかして加藤君、斉藤さんに告白した?!」

「!?」

どんな急展開でその流れになったのか分からないが、優は驚きの余り目を見開いた。

「なんでそうなるんだよ!」

慌てて吉田が反論するが、逆に肯定しているようにしか見えない。

「さっきチラッと斉藤さん達の方見たでしょ」

「ついに告ったの?!」

周りのメンバーも口々に話す。

「ついにって・・・?」

優は疑問符が付いた顔でみんなの方を見る。

「あぁ、やっぱり斉藤さん気づいて無かったんだ」

『気づくって・・・何に?・・・・!』

羽奈の言葉や加藤の告白を思い出し、前から加藤が自分の事を好きだった事を知った。

「やっぱり告ったんだ」

優の顔を見てみんな納得した表情で頷く。

「で、どうよ」

「二人は付き合ってるの?」

酔いの回った彼らにとっては面白い内容かもしれないが、素面のしかも当事者の優にとってこの質問はいたたまれない。

「斉藤には他に好きな奴が居るから・・・」

ボソリと加藤が話す。

「えぇぇぇ!。振られたんだ」
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