男の秘密
取り出した携帯を見ると忍からのメールだった。

---- 同期会の最中だったかな?
  急なんだけど日曜日、夕方から時間が出来たんだ。優の予定は空いてる?

忍のメールを見た瞬間、先ほどの疲れが吹っ飛び、胸いっぱいに暖かい気持ちが広がる。

『初めての経験ばかりだけど、全てが嬉しい』

知らぬ間に口元が綻び、返信の内容を考えていた。

---- 明日一日空いてます。

気の利いた返信がしたいのだが、友達とのメールのやり取りも殆ど無く、業務連絡的なそっけない返事になった。

---- じゃぁ、明日迎えに行く時間が決まったら連絡する。

会う約束が決まり、嬉しくなったが、同時に緊張してきた。

『明日大丈夫かしら』

今から緊張してもしょうが無いと割り切り、みんなの元に戻ると、お開き前に最終確認をしようという所だった。

余興は歌と踊りと言う事で、歌を歌うチームと、踊りを踊るチームを決めて個人練習とチーム練習、最後に一度全体で合わせる段取りが決まった。

各々忙しい中、出来る範囲での事だが、みんな張り切っていた。

優と羽奈は歌チームの後ろで踊る事になった。

みんなはいつも通り二次会に行くらしく、羽奈と優はそれを見送る。

何時もはその後二人で飲みに行くのだが、今日は土曜日と言う事もあって羽奈の用事の為分かれた。
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