男の秘密
「安達さんに一式揃えて貰ったから着替えはある」

そう言って忍は優をベッドに下ろし、部屋を出て行った。

直ぐに手に袋を持って帰って来た。

渡された袋には、本当に洋服から下着まで一式揃っていたので、ありがたく着替えさせてもらう。

時間が経つにつれて、歩けるようになったので、安達の用意したアイボリーのワンピースを着てリビングに行った。

リビングでは忍がコーヒーの用意をしていて、テーブルにはサンドイッチが用意されていた。

そう言えば、昨日は夜店でフランクフルトやたこ焼きなど、軽いものを食べただけだった事を思い出した。

二人一緒に食事をすませて、コーヒーを飲んでいたら忍がまじめな顔で、話し出した。

「順序が逆になったけど、俺との結婚を真剣に考えて欲しい。」

「!?」

「本当は指輪を用意して、ロマンチックにプロポーズする予定だったけど、我慢できなくて優の初めてを奪ってしまったから、けじめをつける為に今告白する。
急で本当にごめん。だけど、俺は優と結婚したいとずっと思ってた。」

「忍さん・・・。私・・」

「急だから戸惑うと思う。だから直ぐに返事はしなくていい。」

「ありがとう。気持ちの整理をしてから、返事するね」

突然のプロポーズに驚きと嬉しさと不安とが一度に押し寄せ、涙まで溢れ出した。

泣き出した優を優しく抱きしめて、頭を撫でてくれる忍に、安心した。

「優に、話しておかないといけ無い事があるんだ」

「え?」
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