男の秘密
自宅に近い最寄り駅で降りてから、自宅までの道を歩いていると、電話が鳴った。

カバンから取り出すと、見覚えの無い番号で、ストーカーの電話かもと思い電話に出られなかった。

長い事着信音が響いたが、暫くすると切れた。

『あれ?そう言えば電話番号が表示されていたわよね?』

前にかかって来た時は、非通知の電話番号だったので、非通知は着信拒否をしている。

電話に出なかったのは悪かったのかと思った時、もう一度着信音が鳴り出した。

「!?」

驚きのあまり、危うく携帯を落としそうになったが、何とか落とさずに済んだ。

電話を見ると先ほどと同じ番号だった。

「出るべき?」

逡巡していたが、やはり気になり電話に出た。

「良かった、出てくれた」

電話の向こうの声に驚きと嬉しさと不安が一気に押し寄せた。

「優?」

「忍さん?」

「ごめん。連絡が遅くなって。誤解を解く為に会って話がしたい」

「誤解?」

「今から会ってくれるか?」

「今からって・・きゃっ!!」

急に優の悲鳴が聞こえたと思ったら、携帯にガシャン!と大きな音がした。
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