男の秘密
昼休みになり、自分の弁当を持って社食へ向かった。

『何を言われるんだろう』

大学に入ってから6年の付き合いで、お互い気心も知れている。

優の些細な変化でも気付かれたのだろう。

ドキドキしながら、窓の方をみて座れて、観葉植物が少し周りから隠してくれる落ち着いた席で羽奈を待つ。

「お待たせ」

酢豚定食を乗せたトレイがカタンと音を立ててテーブルに乗る。

細身の彼女の体の何処にこの量が入るのだろうと、毎回思う。

トレイから視線を羽奈に移すと、その顔は好奇心で一杯だった。

「ううん。私もさっき来た所」

羽奈の顔をみて、嫌な予感しか無い優の顔は引き攣り気味だ。

二人は食事を始める。

羽奈は休み中の話等、他愛ない話をするが、その半分も頭に入らない。

食事が済んだ頃。

「それで、何があったの?」

「!」

「朝からソワソワした顔してるんだから、わかるわよ。」

フフフっと綺麗に微笑む。

仕事モードの羽奈は地味な化粧に、地味な髪型をしているが、美人だ。
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