男の秘密
「・・・金曜日に具合の悪い人を助けたら、お礼がしたいから、連絡して欲しいって言われたの」

かなり大雑把に話す。

「ふーん。それで?」

「それでって?」

「どうして連絡しないの?」

「だって、大した事じゃないし・・・」

「あら、貴女にとって大した事じゃなくても、相手にとっては大した事だったんでしょ。
それに、まだ何か隠してるでしょ。」

「えーと。あはは」

「男ね」
「!?」

飲みかけていたお茶を吹きこぼしそうになる。

「やっぱり。」

優の反応を楽しげに眺める羽奈。

咽(むせ)返って息も絶え絶えになりなっている。

「それで、どんな人なの、顔は?年は?年収は?」

ワクワクとした顔で、畳み掛けるように聞いてくる。

「ちょ、ちょっとまって。それって必要なの?」

「当たり前でしょ! 優にとって初めての出会いなのよ!」

慌てる優に真剣に答える羽奈。今まで浮いた話一つない優に降って沸いた出会いに、わが事以上に興奮している。
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