男の秘密
「!?」

『なんで分かるのかしら。私、顔に出してた?』

今度は何とか喉を詰まらせずに耐えたが、動揺は隠せない。

「幸せオーラが出ているわよ」

「!?」

『そんなものあるの?!』

意地の悪い笑みを浮かべ優を見つめる。

『自分に浮いた話が無いから、人の話で楽しもうとしてる顔だわ』

「羽奈はどうなの?」

「え?私?そうねぇ今は特に無いわね」

『やっぱり』

気持ちを落ち着ける為に、お味噌汁を一口飲んでから話し出す。

「兎に角、忍さんとはそう言う仲じゃないから、そっとしておいて」

話を切り上げて立ち上がる優。

「先に行くから、羽奈はゆっくり食べてて」

羽奈が何か言う前に、定食の半分位しか食べていないトレイを返却口に持って行く。

『ご飯の味が分からなかったわ』
< 65 / 246 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop