男の秘密
翌朝

忍（しのぶ）はとても困惑していた。

見た事も無い部屋に寝ている自分に。

状況を把握しようと首を捻って辺りを見ようとすると、至近距離に女性の頭が見える。

「！？」

慌てて起き上がろうとすると、自分が女性の手を握っている事に気付く。

同様しつつ、女性の手をそっと離して室内を見渡す。

どう見ても自分の部屋ではない部屋と見知らぬ女性。

忍は必死に昨日の記憶を手繰り寄せる。

明け方まで仕事をした後、自宅に帰ったのが昼頃だった。

一眠りしようと思いスウェットの上下に着替えたが、今日渡された資料に目を通さないとと思い、３人掛けのソファーに座り暫く読んでいた。

疲れの為に眠気に負けてしまい、そのままソファーに横になって寝てしまっていた。

喉の乾きに目が覚め、辺りが暗くなっている事に気付く。

昼間明るかったので電気を点けていない室内は、窓から入り込む月明かりのお陰で仄かに明るかった。
転寝（うたたね）のつもりがかなりの時間寝入っていたようだ。

気だるい体で飲み物を取りに行ったが、冷蔵庫の中にはビールしかなかった。

仕方なく近くのコンビニに飲み物を買いに行く事に。

今日はかなり寒かったので、出かける前に上着を着て出たが、それでもかなり寒い。
忍は身震いをした。
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