男の秘密
近道の為空き地を通り抜けようと、足を踏み入れた頃から体調の変化が著しくなって来た。
寒気が止まらない。
気だるさの正体は風邪か・・・。
日頃から体調管理にはかなり気を使っていたのに、薄着で転寝をしてしまった所為で風邪をひいたらしい。
本当は引き返して大人しく寝ているべきだが、一人暮らしの忍は自分が買い物をしなければ飲み物も飲めない。
いや、頼めば買って持って来てくれる人は居るが、出来れば自分のパーソナルスペースに人を入れたくない。
常々そう考えている忍には、誰かに頼る選択肢がこの時無かった。
昼間は近道として利用されるこの空き地は真ん中まで来ると、壁の横のマンションの影になり殆ど暗闇になる。
なので、夜になると人通りが殆ど無くなってしまう。
意識が朦朧としだした自分が倒れてしまうと、誰にも気付かれない可能性が出て来た。
空き地の半分を超えた今、戻るより進む方が早いと判断し、壁沿いに歩みを進める。
それでも数歩歩いたら完全に足が止まる。
息遣いも荒くなり、ここまでかと思った時、体が壁伝いに傾いていった。
意識を手放す直前に、柔らかく暖かな何かに支えられた気がした。
そこで漸く昨日の回想が終わり、現在の状況を考える。
寒気が止まらない。
気だるさの正体は風邪か・・・。
日頃から体調管理にはかなり気を使っていたのに、薄着で転寝をしてしまった所為で風邪をひいたらしい。
本当は引き返して大人しく寝ているべきだが、一人暮らしの忍は自分が買い物をしなければ飲み物も飲めない。
いや、頼めば買って持って来てくれる人は居るが、出来れば自分のパーソナルスペースに人を入れたくない。
常々そう考えている忍には、誰かに頼る選択肢がこの時無かった。
昼間は近道として利用されるこの空き地は真ん中まで来ると、壁の横のマンションの影になり殆ど暗闇になる。
なので、夜になると人通りが殆ど無くなってしまう。
意識が朦朧としだした自分が倒れてしまうと、誰にも気付かれない可能性が出て来た。
空き地の半分を超えた今、戻るより進む方が早いと判断し、壁沿いに歩みを進める。
それでも数歩歩いたら完全に足が止まる。
息遣いも荒くなり、ここまでかと思った時、体が壁伝いに傾いていった。
意識を手放す直前に、柔らかく暖かな何かに支えられた気がした。
そこで漸く昨日の回想が終わり、現在の状況を考える。