今日のアイツはちょっと変!? 【短編】
「遥人は彩の緊張ほぐそうとしてたんちゃうかなぁ。ほら、アイツ不器用やろ?だからそうゆう感じにしかできひんかったんやと思うねん。」
確かに遥人は不器用だ。褒める時も、優しくしてくれる時も、遥人なりの行動だった。
「それにな、癖とかどこが弱いとか、彩のこと見てやんとわからん事やで?」
「え?」
「その、流した曲なんか、全部いつも彩が口ずさんでる歌やし。今日久しぶりに遥人と遊ぶやろ?」
ずっと家の事やテストが重なり遊んでいなかった。
この間は熱出て学校休んでたし、学校以外で会ったのは約1ヶ月位だった。
「アイツな、彩が告白した時マジで悩んでてんで?」
「嘘…」
だって次の日ごめんって、会って言われたのを凄く覚えてるもん。
「嘘ちゃうよ、アイツ告白された時の夜俺に電話してきて、何て答えたらいい?って。んでアイツが出した答えが、「俺絶対島崎の前で素直になられへんし、好きとかそう言うの真っ直ぐ言われへんと思う。その結果不安にさせて泣かすかもしれへんねん」って。だから、俺は島崎の気持ちには答えられへんって言ってたよ。」
「うぅ……んん……グズッ」
話を聞いている途中に泣いてしまったうちに、ハイってティシュを渡してくれた。
「ありがと…」