今日のアイツはちょっと変!? 【短編】
「遥人、彩が寝起き悪いの知ってて10分前に起こしてんで?優しいよなぁ」
「何で寝起き悪いって……」
「いつも俺ん家来たら寝るやろ。だから知ってるだけ。」
そっぽを向きながら言う遥人。
もしかして、照れてる?
「彩、外真っ暗やで」
「うわっ、ほんまや」
「んじゃ帰るかぁ彩。彩の母さん心配するし」
スッと立ってパーカーを羽織る遥人。
「今日も送ってくれるん?」
「当たり前やろ。危ないし」
「…ありがと。」
家はすぐそこなのに、毎回こうやっておくってくれるのも、寝起きか悪いって知って10分前に起こしてくれるのも、布団を縦にしてくれるのも、全部うちのためって初めて気づいたかも知れない。
「ありがとう、いつもここまで送ってくれて。」
「おう。最後さ、わがまま言っていい?」
「うん。」