操り人形 〜傀儡〜
叶香はそのまま教室に帰り、私は食堂に残って時間を潰す。

今日は早めに教室に帰ろう。
なんとなくそう思って、教室の扉を開けようとすると、
女子のグループの真ん中で笑う叶香。

ああ、今日もまた人気だね…
そう思っていると、ふと耳に入ったその会話。

「………でさぁ、ほんっと音乃ってバカだよねっ!!ふふふ
本気で自分は好かれてるとかおもってるのかなぁ?きもぉwwwwwwww」

「………っ」

あの可愛らしい口から流れ出すとは思えない罵詈雑言。

教室の中に入ると、そんな不協和音は消え去って、叶香はふわりと笑顔を浮かべて振り返る。

「あっ、音乃ぉ!!」

「………ね、え、叶香」

「ん?」

「叶香…今、何話してた?」
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