一途な御曹司に身も心も奪われ虜になりました
でもタクシーがつかまらない以上どうにもならない。
どうしよう。
不安が胸に広がり始めた時、車道に一台の車が停まり、ひとりの男性が降りて来た。
「耀?!一体、どうしたんだ?!」
心配して駆け寄って来た人物は兄の優だった。
菅原くんの逆側に回った優は私に代わり、耀の体を支えた。
「耀さん、具合悪いみたいなんすよ。でもタクシーがなかなか捕まらなくて」
「ていうかきみたちは耀と何してたんだ?」
睨みあげるような鋭い視線にドキッとした。
と同時に違和感が湧き上がる。
「優さんは耀さんと仲良くないんじゃないんですか?」
思わず聞いてしまった。
「なぜだ」
「だって…」
バーベキューの時は距離を置いていたし、苗字まで返させていた。
つい先日だって耀のことは面倒見るつもりはないようなことを言っていたし。
でも今のこの状況で聞くことではなかった。
優も答える気はないらしく、耀を連れて帰ると言い、私に代わり、耀の体を支えると助手席へと運び入れ、優は運転席へと入った。
バタン
車のドアが閉まった。
でもすぐに優が出てきた。
「どうしたんすか?」
菅原くんが聞くと優は呆れたように小さく首を振りながら答えた。
「耀が自宅まで付いて来て欲しいと言ってる。佐々木さんにお礼を渡さないといけないとかなんとか」
「え?こんな時まで…今度で良いって言ってください」
遠慮する里香に耀に変わって優が答えた。
「耀は一度言い出したら聞かないんだ。本当は耀にこれ以上関わって欲しくないんだがな」
「どうしてですか?」
睨まれ、震えそうになる声で聞き返す。
「私は耀さんのこともっと知りたい。関わるな、なんてそれは耀さんが決めることでしょう?」
「なんだ?もしかして耀のこと好きな女ってきみなのか?」
違う。
私は推進課の存続のために耀と関わらないといけないだけ。
でも個人的にも気にはなっている。
だから…
「理由が分からなければ納得出来ません」
真っ直ぐ優を見つめてそれだけ言う。
すると優は私の隣にいた里香を見て、それから私を見て言った。
「とにかく付いて来い。話はそれからだ。耀を休ませることが先決だ」
どうしよう。
不安が胸に広がり始めた時、車道に一台の車が停まり、ひとりの男性が降りて来た。
「耀?!一体、どうしたんだ?!」
心配して駆け寄って来た人物は兄の優だった。
菅原くんの逆側に回った優は私に代わり、耀の体を支えた。
「耀さん、具合悪いみたいなんすよ。でもタクシーがなかなか捕まらなくて」
「ていうかきみたちは耀と何してたんだ?」
睨みあげるような鋭い視線にドキッとした。
と同時に違和感が湧き上がる。
「優さんは耀さんと仲良くないんじゃないんですか?」
思わず聞いてしまった。
「なぜだ」
「だって…」
バーベキューの時は距離を置いていたし、苗字まで返させていた。
つい先日だって耀のことは面倒見るつもりはないようなことを言っていたし。
でも今のこの状況で聞くことではなかった。
優も答える気はないらしく、耀を連れて帰ると言い、私に代わり、耀の体を支えると助手席へと運び入れ、優は運転席へと入った。
バタン
車のドアが閉まった。
でもすぐに優が出てきた。
「どうしたんすか?」
菅原くんが聞くと優は呆れたように小さく首を振りながら答えた。
「耀が自宅まで付いて来て欲しいと言ってる。佐々木さんにお礼を渡さないといけないとかなんとか」
「え?こんな時まで…今度で良いって言ってください」
遠慮する里香に耀に変わって優が答えた。
「耀は一度言い出したら聞かないんだ。本当は耀にこれ以上関わって欲しくないんだがな」
「どうしてですか?」
睨まれ、震えそうになる声で聞き返す。
「私は耀さんのこともっと知りたい。関わるな、なんてそれは耀さんが決めることでしょう?」
「なんだ?もしかして耀のこと好きな女ってきみなのか?」
違う。
私は推進課の存続のために耀と関わらないといけないだけ。
でも個人的にも気にはなっている。
だから…
「理由が分からなければ納得出来ません」
真っ直ぐ優を見つめてそれだけ言う。
すると優は私の隣にいた里香を見て、それから私を見て言った。
「とにかく付いて来い。話はそれからだ。耀を休ませることが先決だ」