一途な御曹司に身も心も奪われ虜になりました

「男慣れしてないのか。意外だな」

「わ、私のことはどうでもいいでしょ。それより耀さんは放っておいていいんですか?」


照れ隠しなのかいつもより早口の里香に優がクスリと笑った。

でもキッと睨まれてしまい、肩をすくめて言った。


「耀は少しひとりで休ませてやれば大丈夫だ」


窓ガラス越しに見える耀を優は目を細めて見た。

その慈愛に満ちた瞳に、ふたりにしか分かり得ない世界を感じ、それと同時に他人の私たちが土足で入り込んではいけない気がした。

でも優は私たちを木のベンチに腰掛けさせると、その向かいに座り、約束通り私たちに耀と関わってはならない理由を教えてくれた。


「耀はな…」
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